IPSJ情報処理カタログ #ジョーショリ

用語集

リソース

りそーすResource

概 要

コンピュータを動かすために必要となるさまざまな要素の総称。CPUやメモリ、ストレージなど、ハードウェア全般のことを指したり、ソフトウェアのデータ全般のことを指したりなど、いくつかの意味合いが含まれていて、IT分野では、さまざまなシチュエーションで耳にする言葉。

解 説

「Resource」を直訳すると「資源」となり、それが転じてコンピュータの世界では、コンピュータを動かすために必要なもの、つまりCPUやメモリなどハードウェア全般、およびそれらのもつ処理能力のことをリソースと言うようになりました。

一方プログラミングやソフトウェアの分野では、プログラムが読み込んで使用するデータ(テキスト、画像、音声など)を総称してリソースと言います。

ゲームソフトを例にすると、シナリオやセリフの「テキストデータ」、キャラや背景の「画像データ」、BGMや効果音の「音声データ」などがリソースに当たります。ゲームプログラム本体が、これらのリソースを必要に応じて読み込むことによって、コンピュータの中にゲーム世界を構築しています。

反対に、データをプログラム中に直に記述することをハードコーディングと言います。ハードコーディングは、後々データだけの編集が困難なのであまり用いられませんが、暗号鍵など外部に見られたくないデータには、ハードコーディングが用いられます。

また狭義では、Windowsプログラムの実行ファイルに埋め込むデータのことをリソースと言います。
画像や音声などのデータをリソースとして埋め込むことで、1つの実行ファイルにまとめることができます。

それに加えて、昨今はビジネスシーンなどで、リソースという言葉をよく耳にするようになりました。
この場合は「人材」「資産」といった意味で使われることが多いです。

用 例

  • ・コンピュータのリソース不足……メモリの空き容量不足などでソフトウェアを正常に実行できない状態。
  • ・コンピュータのリソースを増やす……メモリ容量やストレージ容量を増やすこと。
  • ・リソース割り当て……コンピュータを使用するユーザーやプログラムに対し、どの程度の演算能力を割り当てるか指定管理。
  • ・リソースモニター……コンピュータのCPU使用率やメモリ使用量などの資源を監視するソフトウェア。
  • ・リソースを読み込む……プログラム中において、用意していたデータ(リソース)へアクセスすること。
  • ・リソースエディター……1つの実行ファイルへまとめられているリソースを後から編集できるソフトウェア。
  • ・プロジェクトへリソースを割く……ビジネスシーンにおいて、人材、資産などの経営資源を利用することをリソースを割くと表現します。

将来の展開

IT分野で用いられるリソースという言葉には「ハードウェアの能力」「ソフトウェアのデータ」といった、いくつかの意味が含まれていて使用シーンや文脈に合わせて意味を捉える必要があります。

また「資源」という意味でもリソースという言葉が一般的に用いられるようになってきており、今後ますますいろいろな場所で耳にするようになると考えられます。

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