IPSJ情報処理カタログ #ジョーショリ

用語集

データモデル

でーたもでるData Model

概 要

さまざまな事柄に対して、必要なデータ項目を抽出し、わかりやすく関連付けを行い、その過程で用いるデータ記述様式をデータモデルと言う。データモデルを使っていくことでコンピュータで管理しやすいデータへと落とし込めるので、データベース構築の際にデータモデルが用いられる。

解 説

事業形態や組織の構造をわかりやすく整理記述するために用いられるのがデータモデルです。データモデルは階層型、ネットワーク型、オブジェクト指向型、リレーショナル型と大きく4つに分類されていて、現在広く利用されているリレーショナル型のデータモデルは、次に挙げる3つの段階を経て、コンピュータでの管理に適したデータへと落とし込まれます。

  • 1 概念データモデル……事業形態や組織の全体を抽象化、個々の実体(エンティティ)に区分けし、それぞれの実体がどのような内容(アトリビュート)をもつのか考察、整理を行い、各エンティティの関係性をリレーションシップで結んでいきます。
  • 2 論理データモデル……概念データモデルをもとに、集合論に基づくデータモデルであるリレーショナルデータモデルへの変換を行います。リレーションへの分割やキーの定義を行い、リレーションスキーマを定義します。
  • 3 物理データモデル……論理データモデルを、実際に使用するデータベースのフォーマットに合わせて記述していきます。
エンティティをリレーションシップという直線で結合しデータモデル作成

データモデルを作成することをデータモデリングと言い、記法もいくつかの種類があります。データを構造的に整理することは、データを効率的に扱うための有効な手段です。

実現できること

  • ・データベースの構築。さまざまな事柄をどのようにしてデータベースに落とし込むかの設計図となります。
  • ・事業の可視化。事業全体を可視化することで、組織全体で認識を一致させたり、効率のいい事業形態の模索が行えます。
  • ・組織の可視化。組織の人事を可視化することで、企業内での人材活用を促進できます。
  • ・ビッグデータの有効活用。さまざまな形式と膨大な量から成るビッグデータを有効活用するためには優れたデータモデルの構築が不可欠です。

将来の展開

ここで解説に用いたデータモデルは、構造化データ(列と行によって表現できるテキストと数値のデータ)を用いるリレーショナルデータベース向けのデータモデルでしたが、昨今は文書や画像、音声など、さまざまな形式のデータを扱う非構造化データのデータベース(NoSQL等)の重要度が増しています。ビッグデータとして収集されるデータにも非構造化データが多く含まれています。

非構造化データのデータモデルはここで解説したものとはまた違うものになりますが、データを有効活用する上でデータモデル作成が重要な点は変わりません。データモデリングのスキルはこれからも重要視されていくと考えられます。

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