IPSJ情報処理カタログ #ジョーショリ

用語集

機械学習

きかいがくしゅうMachine Learning

概 要

機械学習とは、コンピュータにさまざまなデータや経験を与え学習させることで、導き出す答えを改善していくアルゴリズム。人工知能(AI)を実現するための重要技術の1つで、昨今流行のディープラーニングは機械学習で用いるアルゴリズムのうちの1つ。

解 説

機械学習は、データや経験を与えて学習させることで答えを改善していくアルゴリズムです。最初は間違った答えを出していても、新しいデータをどんどん入力することでモデルを改善し、正しい答えへと辿り着きやすくしていきます。

機械学習は主に「教師あり学習」「教師なし学習」「強化学習」の3つの枠組みに分けられます。

  • 1.教師あり学習……正解付きデータを入力することで、新しいデータに対して正しい答えを出せるように学習させるアルゴリズムです。たとえば猫とラベルのついた猫の写真を学習させることで、新たな写真の中から猫を探し出す識別や、過去の天気データを学習させて未来の天気を予測する回帰といったことができます。
  • 2.教師なし学習……正解の付いていないデータを入力し、コンピュータはそれぞれの類似点を探し出してデータをグループ分け(クラスタリング)していく学習アルゴリズムです。答えが付いていないので、出力がどういう風にグループ分けされたのかは人間や他人工知能が判断し、結果をフィードバックすることで強化していきます。単純に答えが付けられないデータの分類や、データの自動生成に用いられます。
  • 3.強化学習……教師なし学習と同じく正解のないデータを入力しますが、出力結果にスコアをつけることで、より高いスコアが出せるよう自ら試行錯誤して強化していく学習アルゴリズムです。ゲームで最善の一手を探し出すといったことができます。

以上3つの機械学習が用途に応じて使い分けられています。

また、昨今ディープラーニングが高い注目を集めていますが、これはニューラルネットワークというアルゴリズムの一種で、先の3つの機械学習でモデル強化に用いられる強力なアルゴリズムの1つです。

実現できること

  • ・画像や音声の識別。写真の中から犬や猫といった特定の動物を識別したり、人の話し声から何を喋っているのか識別できます。
  • ・未来の予測。過去の気象データから天気予報を行ったり、過去の売り上げから需要を予測できます。
  • ・文書のグループ分け。たとえばメールなどをその内容からプライベート、ビジネス、スパムといった具合にグループ分けできます。
  • ・データの自動生成。人間が作成したような文章や、実在するような人や景色の写真を自動生成できます。
  • ・ゲームAI。囲碁や将棋で最善の一手を探ることができます。

将来の展開

機械学習はコンピュータに人間と同じような識別、判断をさせるための技術として研究が進み、ディープラーニングの登場で大幅な進歩を遂げました。その進歩した機械学習で作られたAIがさまざまなところで実用化、活躍しています。一例として、内視鏡画像からのガン識別が人間の医師を超えるレベルに達しているそうです。

このように人間の認識能力を超えるAIは、機械学習の進歩によって今後も次々と登場してくるでしょう。

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