IPSJ情報処理カタログ #ジョーショリ

用語集

Webページの動的生成

うぇぶページのどうてきせいせいDynamic web page

概 要

Webページの動的生成は、ユーザーがWebサイトにアクセスするたび、リクエストの状況に応じたHTMLドキュメントを毎回生成するWebページ表示方法の一種。反対に、Webサーバーに保存されたHTMLドキュメントをそのままユーザクライアントに送って常に同じ表示するものは静的サイトと呼ばれる。

解 説

Webページの動的生成は、ユーザーがWebサイトにアクセスしたときのリクエストの状況に応じて、その都度HTMLドキュメントを生成します。ユーザーのリクエストに応じる表示が必要なWebサイトでは基本的に動的生成が用いられます。

動的生成の大まかな仕組みとしては、Webサーバーの裏で稼働するアプリケーションサーバーが鍵を握ります。Webサーバー経由でユーザーのリクエストが届くと、アプリケーションサーバーはデータベースや他Webサービスとの連携で必要なパーツを集め、HTMLドキュメントを動的生成します。生成されたHTMLドキュメントは、Webサーバー経由でユーザーのWebブラウザに表示されます。

またユーザーのリクエスト対応の必要がない場合でも、Webサイトを効率よく運用管理するために動的生成を用いている場合があります。Webサイトをコンテンツ(内容)とページレイアウトに分けて管理する動的コンテンツ管理システム(動的CMS:Contents Management System)を利用する場合です。動的CMSを導入すると必然的に動的生成のWebサイトになるのです。

動的CMSはWebサイトをコンテンツ内容とページレイアウトに分けて管理するシステムで、Webサイトへアクセスが来たときに、コンテンツ内容とページレイアウトを合成したHTMLドキュメントを動的生成します。

ページレイアウトを決めてしまえば、あとはコンテンツ内容作成に専念でき、運用管理もWebブラウザ上のツールで行えることから、多くのWebサイトで動的CMSが導入されています。

実現できること

  • ・会員制Webサイト。会員ごとに異なるWebページは動的生成で作られます。
  • ・掲示板。新規コメントで次々と更新される掲示板は動的生成が用いられます。
  • ・検索エンジン。ユーザーからの検索リクエストの結果は動的生成で作成されます。
  • ・ショッピングサイト。商品検索やカート内容など、ユーザーごとに動的生成で表示されます。
  • ・ニュースサイト。動的CMSを用いると、コンテンツであるニュース記事をどんどん書くだけでWebサイトを更新できます。複数人で頻繁にWebサイトを更新するのにも適しています。
  • ・PCとスマートフォンのそれぞれに適したページレイアウト。アクセスした端末を判断して、PC向けレイアウトとスマートフォン向けレイアウトを切り替えて動的生成されます。

将来の展開

現在、インターネット上の各種サービスはユーザーごとに異なる処理を行うのが当たり前となっているので、基本的に動的生成が用いられています。また一見普通のWebサイトでも、運用管理の容易さから動的生成を用いるケースも多く、結果として日頃訪れるWebサイトの大半が動的生成されたものと言っても過言ではありません。

一方で動的生成にはセキュリティ脆弱性が入り込むリスクの存在、サーバ負荷の増大、表示速度の低下といったデメリットも存在します。そのため、近年では静的サイトの良さが見直されており、その生成ツール(静的サイトジェネレータ)なども進化してきているため、今後は動的生成されたWebサイトと静的サイトのすみ分けが進んでいくと考えられます。

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