IPSJ情報処理カタログ #ジョーショリ

5G

ふぁいぶじー5th Generation(5G)

概 要

第5世代移動通信システムのこと。現在の通信で主に使われている「4G(第4世代の無線通信システム)」に比べて高い速度、遅延の少ない通信が可能になる。NTTDocomoでは受信速度最大4.2Gbpsの通信サービスを開始当初から提供していた。

解 説

携帯電話の通信は、アナログ通信から始まり、デジタル通信、フィーチャーフォン(ガラケー)の通信、スマホの通信と発展してきて、5世代目の新しい技術が導入されようとしています。

1G アナログ携帯電話
2G デジタル携帯電話
3G 高速なデータ通信、マルチメディア通信
4G 動画配信など、さらに高速・大容量の通信

5世代目の5Gは、「高速で大容量の通信」「信頼性が高く低遅延の通信」「多数の機器の同時接続」を実現します。

5Gでは、いままでよりも高い周波数帯を使い、かつ、帯域を広くとることで、高速な通信を可能とします。これにより、4K/8K動画配信やVRなど、いままでは速度が足りずに難しかった体験ができるようになります。

そしてデータ転送の際の遅延が少ないのも特徴です。たとえば、建機の遠隔操作や遠隔治療、自動運転の通信など、リアルタイム性が必要な場面にも活用できます。

また5Gでは、同時に接続できる端末の数も大きく増えます。1台の基地局で賄える台数が増え、快適に使えますし、IoT機器など、今後、数が多くなりそうな機器の通信にも耐えられる設計になっています。

4Gは主にパソコンやスマホが通信するために使われるものでしたが、5GではIoTや各種センサー、自動運転の通信など、機器間の通信にも使われることが想定されています。つまり5Gは、電話や通信のための無線通信だけではなく、モノとモノとの通信のインフラとして幅広く使われていくものです。

5Gに対して、よく「世界が変わる」「生活が変わる」「新しい体験を」などというキャッチコピーが付けられているのは、こうしたスマホ通信以外のこともできるようになるのが理由です。

実現できること

  • ・混雑しない快適なネット利用
  • ・高精細な映像コンテンツの利用
  • ・短時間でのダウンロード
  • ・遅延のないゲーム
  • ・自動運転の通信インフラとしての活用
  • ・遠隔医療の通信インフラとしての活用
  • ・ドローン映像のリアルタイム送信

将来の展開

すでに携帯電話会社の5Gサービスがはじまっており、5G対応スマホを購入すれば、5Gを体験できます。ただし5Gで通信できるのは、5G対応基地局があるエリアに限られます。

電波は利用する周波数が高いほど高速な通信ができる一方で、短い距離しか届きません。「5G」の携帯電話は高速な通信が売りですが、その分、周波数が高く、短い距離しか届きません。これは1台の基地局が対応する範囲が狭くなるので、いままでよりもたくさんの台数が必要になるということです。

今後、携帯電話・スマホは4Gから5Gへと切り替わっていきますが、そのためには、十分な数の基地局が設置されることが必要です。

補 足

5Gに関連する話題として、「エッジコンピューティング」があります。「エッジ(edge)」とは「末端」という意味で、できるだけ利用者に近いところに、さまざまな処理をするコンピュータを置こうという考え方です。

距離が遠いほどデータのやりとりに時間がかかりますし、中央でまとめてデータ処理すると、たくさんの利用者のデータを一度に処理しなければならなくなるので、大規模なコンピュータシステムが必要になります。代わりに、「近いところでそれぞれ処理することで、処理を分散させよう」という考え方です。

5Gの時代では、基地局にデータを処理するためのコンピュータを搭載する計画があります。そうすれば交換機近くのコンピュータまでデータを運んでそこで処理することなく、基地局でデータ処理が完了するため、より迅速なデータ処理ができるようになることが期待されています。

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