メタバース
概 要
多人数が参加でき、そのなかで自由に行動できる仮想空間。3D技術や拡張現実(AR)によって、インターネット上に構築される。ユーザーは、「アバター」と呼ばれる自分の分身を操作して、その空間内で、他のユーザーと交流できる。
解 説
メタバースは、「meta(超越した)」と「universe(世界)」の合成語です。もともとは、SF作家のニール・スティーヴンスン氏の「スノウ・クラッシュ」という作中で登場するインターネット上の仮想空間のことです。これが転じて、多人数が参加し、交流できるインターネット上の「場所」のことを、メタバースと呼ぶようになりました。
メタバースという言葉が注目を集めるようになったのは、「フォートナイト(Fortnite)」というオンラインゲームです。銃を撃ち合うサバイバルゲームで、最大100人のプレーヤーが戦い、最後に残った一人が優勝というバトルロイヤルです。
このゲームには、ボイスチャットをする場所があり、参加者同士が交流できるようになっています。この交流場所こそが、メタバースです。この交流場所は、元々は、チームで戦うときの戦略会議をする場所として作られたものですが、雑談する場所として使われています。友人の家やファミレスなどで談笑するごとく、メタバースで談笑が行われているのです。
フォートナイトが注目を集めているのは、さまざまな企業とコラボして、このメタバースのなかでイベントをしているのも理由のひとつです。
たとえば、アーティストがこのフォートナイト内でコンサートをすることもあります。つまりゲームのプレーヤーにとってフォートナイトは、劇場やイベント会場であり、第二の生活空間になってきているのです。
実現できること
- ・仮想空間での交流
- ・仮想空間でのイベントなどの体験
- ・アバターを操作することによる、第二の世界での仮想的な生活
将来の展開
メタバースは、作った仮想空間が、さまざまな企業やサービスと連携するインフラ基盤であり、その拠点となります。人をたくさん集められれば、その上でイベントなどをすることで、たくさんのお金を集められます。そこで各社が、人をたくさん集められる仕掛けを持ったメタバースを作ろうと開発しています。
メタバースは、遠距離でも、人々が集まれる利点があります。世界中の人々が一箇所に集まります。近年はコロナ禍において人が集まりにくくなってきたため、今後、さらにメタバースが注目を集める可能性があります。
メタバースは、多くの人数が集まる永続的な空間ですが、それよりも小規模で限定的な「オンラインのライブを仮想空間で行う」「オフィス環境を仮想空間で実現する」というサービスも始まっています。
これらはVRと似ていますが、「参加している他の人達が見えること」「他の人達と交流できること」が、大きく異なります。
こうした小規模で限定的なメタバースは、今後、音楽コンサートなどで、私たちは、よく目にすることになるかもしれません。