タグ
概 要
タグ(tag)とは、モノに対する「情報」を示したもの。たとえば洋服には、「サイズ」「生地の種類」「アイロンのかけ方」「生産地」「価格」が記された紙のタグが付いているが、こうしたデータを電気的に書き込んで読めるようにしたのが「電子タグ」。
解 説
電子タグはRFIDとも呼ばれ、とても小さなチップに、さまざまな情報を格納できるものです。米粒よりも小さく、格納した情報は電波を当てることで読み出せます。電子タグの種類によっては、複数の情報をまとめて読みとることもできます。
最近では、一部の店舗でRFIDを使ったレジが導入されているところがあります。こうした店舗では、扱う商品すべてに商品情報を示すRFIDが付いていて、レジに買いたい商品を置くだけで、合計金額がすぐに計算されます。そのため従来のように、ひとつひとつ商品のバーコードを読まなくても済みます。
RFIDタグのレジです。カゴごと通過させると会計できます。
RFIDは、書き換え可能であるため(一部、書き換えられない規格もあります)、情報の更新ができます。
RFIDの特徴を活かした使い方をしている業界といえば、物流業界でしょう。運搬すべき箱にRFIDを取り付けておき、物流拠点を通過したときにRFIDの情報を書き換えれば、どの拠点をいつ通過したかを記録できます。
またRFIDの種類によっては、離れた場所からまとめて読み取れます。たとえば、衣服を詰めた段ボールがあるとき、箱の外から読み取り機の電波を当てるだけで、箱のなかにどんな衣服が入っているのかもわかります。
その他にも畜産などでの用途に向けて、動物用RFIDタグなども開発されています。家畜の耳などにRFIDを取り付けることで、コンピュータを使ってたくさんの家畜を効率的に管理できるようになります。
実現できること
- ・商品をまとめてカゴに置くだけで購入金額がわかるレジ
- ・箱のなかに入っている品物の追跡
- ・畜産物、農産物などのトレーサビリティ
将来の展開
RFIDの普及の妨げになっているのがコストです。バーコードなら印刷代だけで済みますが、RFIDでは10円程度かかります(2021年時点)。このコストを、どれだけ下げられるかがRFID普及のポイントです。
物流業界の荷物追跡のように、RFIDでなければ実現できないものに関してはコストが高くても普及が進みますが、店舗のレジへの導入のようにバーコードで済むものを、コストをかけてRFIDに変更するのは難しいため、普及にはもう少し時間がかかるかも知れません。
補 足

RFIDタグと似たものに「NFCタグ」があります。これは「Suica」などで使われているものと同じで、無線を使ってデータを読み取る装置です。
NFCタグは、電車の改札口では「ピッ」と触ることからわかるように、至近距離でなければ読み書きできません。しかし読み取りであれば専用のデバイスは必要なく、、対応しているスマートフォンなどを使えば読み取ることができます。
NFCタグは、シール状のものが家電店でも売られていて、個人でも購入できます。「あるNFCタグをスマホにかざすと、あらかじめ決めたアプリを起動する」「特定の人に電話をかける」など、「タグを読み取ったときの動作」を決めることもできるので、興味のある人は、試してみてください。